第2516号 「買い物補助員」実は裏の顔は… ~ 数字に表れない情報が大事 ~
今、「ビッグデータ」と呼ばれる大規模なデータの収集やその解析が
注目されていますが、それでも日常の行動の一部でしかありません。
小売の現場では、売れたデータも大切ですが、
「商品を手に取ったけど買わなかった理由」の方が知りたいと思います。
商品の魅力が伝わっていないのか、見難かったのか、
価格が高かったのか、産地が気になったのか。
中小店舗ではビッグデータの活用は現実的ではありません。
そこで、こんなサービスを設けてみてはいかがでしょう。
このサービスには、表の顔と裏の顔があります。
▼『「買い物補助員」実は裏の顔は…』
●例えば、食品スーパー。
●店舗入口の買い物カゴ置き場で店員さんが数人立って、
お客様から声を掛けられるのを待ちます。
お客様から「お願いします」と声を掛けられれば、
お客様の後を買い物カートを押しながら付いていきます。
そう、この店員さんは、「買い物補助員」です。
●主に高齢者や赤ちゃんを連れたお母さん、大量に商品を買う方、
お米など重い商品を買う方などの利用を想定します。
※基本的には、誰でも利用可能です。
●この「買い物補助員」は、基本的に商品のセールスはしません。
聞かれたことはお答えしますが、お客様にそっと付き添って、
お買い物のお手伝いをします。
●しかし、この「買い物補助員」は表の顔で、実は裏の顔もあります。
それが、「購買行動観察員」です。
お客様の店内における購買行動を観察します。
◎お客様は最初にどの売り場に向かうのか?
◎どのように目を配りながら商品を手に取るのか?
◎手に取った商品で買わない商品はあったか?
◎キャンペーンPOPには目が行っているのか?
◎店内をどのルートで回るのか?
◎レジで待っている時は何をしているのか?
など。
●「買い物補助員」はお手伝いが終わり、お客様を送り出した後、
調査票に書き込みます。※書き込む場所はお客様に見えない店舗裏側です。
書き込みが終わると、再び、店頭に立ち、
お客様から声がかかるのを待ちます。
●このサービスのメリットは、お客様の満足度アップのほか、
堂々とお客様の購買行動が観察できる点もあります。
●また、この「買い物補助員」は、専任を設けるより、
店員さんが当番制で誰もが担当した方がスタッフ教育にも
なると思います。「買い物する側」の立場に立って、
お店が見れるのですから。
●数字のデータには、お客様の本音は表れません。
お客様に寄り添い、会話をし、心を通わせてこそ、
見えてくると思います。
●高額な調査費で外部機関にお願いするより、
店員さんを2、3人「買い物補助員」用に増やす方が
余程低コストでできます。
***企画の一番搾り***
『 現場に出てお客様を観よう 』